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メタボリックシンドロームについて
〜脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎も 〜

生活習慣病の代表ともいえるメタボリックシンドローム。
渇望や食欲は精神的な問題もからむため、通常の生活指導では改善しません。

メタボリックシンドロームとは?

 内蔵脂肪の蓄積に加えて、中性脂肪が高い、善玉コレステロールが低い、血圧が高め、空腹時血糖が高め等の2つ以上の条件がそろうと、それぞれの問題が軽度であっても心血管障害のリスクが高くなるという研究結果があります。このような病態をメタボリックシンドロームと呼びます。明らかな糖尿病、高血圧、高脂血症がある場合は、メタボリックシンドロームであろうがなかろうが、特に危険なため内科治療が不可欠です。内蔵脂肪の蓄積はCTスキャンで診断するべきですが、その程度はへそ周りのサイズと密接な関連があることから、簡易的に代用されています。その基準はへそ周りが男性で85cm以上、女性で90cm以上の場合は高率に内蔵脂肪の蓄積があるとされます。しかし必ずしもへそ周りのサイズだけで病的であると判断できないことに注意してください。あくまでも最初に書いた条件がそろった場合に、医師によって診断されるのです。決して腹回りをはかっただけで診断されたつもりになってはいけません。メタボリックシンドロームにはもう一つ違う次元の問題があります。即ちメタボリックシンドロームという概念は、医学的な疾病というより、医療費削減を目的として国家が政治的に利用するためのものと考えられるのです。その根拠として、内蔵脂肪蓄積という病状をメジャーで腹をはかるだけでしろうとが診断できるかのように宣伝されていることが挙げられます。また高脂血症における悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高いことは、文句なしに冠動脈疾患の重要な危険因子です(エビデンスレベルA)。ところがメタボリックシンドロームはLDLコレステロールとは独立した重要な危険な病態であるとされていますが、そのエビデンスレベルはB、つまり根拠となる試験がまだ一つしか示されていません。すでに多数の試験によって裏付けられた高LDLコレステロール血症の危険性よりも、エビデンスレベルの低いメタボリックシンドロームをとりわけ重要視する政府の姿勢には違和感を感じざるを得ません。

脂肪肝とは?

  脂肪肝は、肝細胞の中に脂肪滴(中性脂肪)が大量に蓄積された状態です。以前は予後良好な疾患とされ、軽視されてきましたが、最近メタボリックシンドロームに伴う場合は動脈硬化が進行する事がわかってきました。診断は通常、エコー(腹部超音波検査)で簡単にできます。血液検査では肝障害を認めない事もあります。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)とは?

 飲酒しない場合でも脂肪肝が高度になると血液検査上、肝炎の所見を呈する場合があります。最近これを非アルコール性脂肪肝炎と診断するようになりました。従来脂肪肝として予後良好と考え、安易に扱われてきましたが、非アルコール性脂肪肝炎の場合は肝硬変症に移行する事があります。この病気の患者さんの特徴は生活上、極端に高カロリー食、運動不足の状態にあることです。治療は薬物療法を中心に行いますが、精神面のバックアップが必要な場合が多いように感じています。安易な食事指導は慎むべきと考えております。

治療は?

 生活習慣による病気ですから、一般的に食生活の改善と運動療法が強調されます。しかし実際は精神的な問題を解決しない限り指導効果は望めず、それどころか患者さんを追いつめてしまったり、苦しめてしまい、挫折させてしまうことになりかねません。治療は薬物療法が基本です。そして診療を通じて自然の中の生物としての人間性を取り戻すことによって改善するのです。自然な食生活、自然な身体の使い方、自然な一日の過ごし方などいっしょに考えてみませんか?自然な生活を通して食欲の正常化を体験してしまえば、後は健康を取り戻す事は容易なことなのです。
 メタボリッックシンドロームにおいて高血圧はとても重要な因子です。血圧が130/85以上の場合は高血圧症の可能性があります。高血圧症と診断された場合は、生活習慣の改善にこだわる前に速やかに投薬治療を開始し、脳血管障害や虚血性心疾患の発症を回避することが肝腎です。

健康食品について

 健康食品にはいろいろなものが出回っており、健康効果を宣伝するものも多く見かけますが、健康食品の効能・効果を宣伝する事は薬事法違反です。医学的な臨床試験を経て世にでている医薬品とは異なり、健康効果はもちろんのこと安全性も保証されません。メタボリックシンドロームや高脂血症、高血圧、糖尿病などいずれも食生活バランスと密接な関連がありますが、それは主に過剰な要素が問題なのであって、健康食品を加えれば改善するというものではありません。気休めに高額な健康食品をまんぜんと続けるのは家計の無駄でもあり、本質的に病気をよくすることにはつながりませんから、きちんと医療を受けるようにしてください。当院の医師は生活習慣病に対する効果的なアプローチを熟知した専門家です。

脂肪肝や脂肪肝炎の食事療法について

 肝臓病の食事療法は以前から高タンパク、高ビタミン食が推奨されてきました。また我が国の伝承で肝臓病にはしじみが良いとされてきました。最近、医療の世界では肝臓病の食事療養についてはあまり強調されなくなりました。しかし、しじみや青汁、クロレラなどの摂取については問題視されています。それはC型肝炎や脂肪肝炎において肝臓に鉄が過剰に存在する事が肝障害に関連しているからです。鉄分を制限する事でこれらの肝臓病を改善する事が可能です。しじみや青汁などは鉄分が豊富なため、肝臓病にはマイナス要因となるのです。

話題になっている小林製薬のナイシトールについて

 最近小林製薬から発売されているナイシトール85がよく売れていると朝日新聞などで報道されています。この薬剤は漢方薬の防風通聖散を主成分とするもので、もともと腹部の皮下脂肪が多い高血圧症や肥満症の治療に使われてきたものです。当院では医薬品としての漢方薬を使用しその方にあった処方をこころがけています。安易に薬を買うのではなく、きちんとした診療を受けましょう。

食欲抑制剤マジンドール(サノレックス)について

 最近新聞などでニュース報道された、サノレックスについて述べておきます。この薬剤は化学構造が覚せい剤であるアンフェタミンに似ています。そのため習慣性や副作用が懸念されます。このような依存性物質を自費診療で処方したり、ましてやエステティックサロンで販売するなどということは犯罪です。現在の法律では自費診療で依存性物質を適切に処方した場合は合法ですが、たとえそうであっても、倫理的には許されません。適応は70%以上、BMI35以上の深刻な肥満患者ですが、できるだけこのような薬剤の投与は避けたいものです。やむをえずサノレックスで治療するにしても保険診療できちんと行うべきだと考えます。最近は抗うつ剤のリタリンの違法な処方も問題になっています。サノレックスを購入するという行為も同様に危険です。注意してください。

アンチエイジング(Anti-aging)について

      

 メタボリックシンドロームは身体の代謝が低下した状態であり、老化現象であるともいえます。老化をおさえ寿命を延ばすためには、サルを使った実験で栄養バランスを保った上でのカロリー制限が有効であることが知られていますが、食事制限は多くの場合困難を伴い、一旦太りすぎてしまうとなかなか運動もできず、運動を始めたところで膝や腰を痛めてしまうといった悪循環に陥りがちです。しかし、カロリー制限や運動に関係している成長ホルモンに着目すれば、身体の代謝を亢進させ、気力を充実させ、若返らせることも不可能ではありません。成長ホルモンを分泌促進させる方法は実際に私が知る限りいくつかあります。医学的に証明されている方法は必ずしも保険診療ではできないわけですが、自由診療という形で治療を受ける道が残されています。比較的安価で安全な薬剤を使う方法も存在します。

→アンチエイジング外来受診ご希望の方への詳細インフォメーション

→兵庫県神戸市長田区神楽町6-9-10 福井クリニック 078-612-0101

→問診票のダウンロード

2006.5.27初出改訂2007.12.28(c) 福井クリニック院長 福井俊彦
(日本内科学会会員)


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