電子カルテを実施するためには真正性、見読性、保存性の3つの条件をクリアする必要があります。また電子化するからには、システムが電子保存の条件をクリアしていることを説明する義務があります。そこで当院のシステムについて説明用の文書を作成してみました。
FM
Carteにおける電子保存の基準対策について
システムの概要
当院における電子カルテはファイルメーカー社の市販データベースソフトであるファイルメーカーを使用して開発したものでファイルメーカーProクライアントとファイルメーカーサーバーによって構成されている。
現在のファイルメーカーのバージョンはFileMaker Server8v4および、FileMaker developer8,FileMaker8およびFileMaker8.5である。
電子カルテを構成するファイルはすべて「FP8」フォルダ内に包含され、主たるファイルは「電子カルテ.FP7」である。「電子カルテ」フォルダは当院コンピュータルームの電子カルテ専用Apple Mac Pro内のハードディスクに磁気データとして保存される。また電子カルテに係るすべてのファイルのコピーはスケジューリングにより同一のハードディスク内、外付けハードディスク内、USBメモリースティック内に自動的に作成される。
クライアントとしては内科診察室、眼科診察室、受付、事務室、処置室に各1台ファイルメーカーをインストールしたコンピュータを設置し、ネットワークを経由してサーバに接続、データの出入力操作および閲覧を行う。
なお接続できるクライアント数はサーバ側で制限することができる。
1. 真正性の確保
サーバの取り扱い
サーバの起動、loginは管理者権限により管理者のみが行う。またサーバは施錠されたコンピュータルームに設置され、部外者の操作を回避している。またサーバには電子カルテそのものを閲覧したり入力するためのソフトウェアはインストールされておらず、サーバの操作で電子カルテを閲覧する事はできない。
作成責任者の識別および認証
電子カルテはユーザ、パスワードの認証によって事務員、医師、看護士、管理者のそれぞれの権限に応じて操作することが可能になる。また各クライアントの操作履歴はサーバに保存される。
確定操作と識別情報の記録
診療の終了後、作成責任者の入力確認の完了時には速やかにカルテ記録の確定操作を行い、作成責任者、窓口会計責任者の名前とタイムスタンプが記録される。 確定されたカルテ記録は安易に書き換える事ができない。
更新履歴の保存
一旦確定された情報に追記、書き換え、消去が行われた場合は確定操作を施行した日時と更新日時が一致しない。またこのような操作を行う場合、編集前の記録(レコード)があらかじめ履歴ファイルに保存される。
過失による虚偽入力、書き換え、消去、混同の防止
対策として確定操作を終了したカルテは確定解除操作を行わないと入力できない。また項目によって管理者権限、医師権限などでなければ入力できない仕組みである。受け付け画面では受け付け順に患者ID、患者名、生年月日、年齢、性がならぶようになっており、診察終了、会計終了の事実が把握できるようになっており、患者の混同が防止される。選択されて開くデータ画面は新たに作成された当日の画面であり、過去のデータとの混同を防止する。また過去のデータを閲覧する場合は開く画面で警告音と当日でない旨を赤い文字で表示する。
2. 見読性の確保
情報の所在管理
情報はサーバルーム電子カルテサーバ内の「FP8」フォルダに一括して管理される。そのバックアップファイルは随時自動的に様々なメディアに分散して複数保存され、システム障害時はこれらのうち最も適当なものを原本として使用する。様々なメディアとは内蔵および外付けHD、USBメモリー、ネットワークコンピュータ、CDR、外部FTPサーバをいう。
見読化手段の管理
保存情報はクライアントにインストールされたファイルメーカーを使用して許可されたアカウントにより認証を行った場合のみ可能である。
サーバに接続可能なクライアント数はユーザ数に限定される。コンピュータ、OS、ファイルメーカー社のソフトウェアは原則として最新のものを使用する。
また電子カルテの包含するすべての情報は必要に応じて様々なフォーマットで印刷出力できるよう仕様変更できるが、通常は処方箋など患者に手渡す書類以外は印刷できない仕様になっている。
情報区分管理
事務員、看護士、医師、管理者の各レベルに応じてカルテの閲覧、記載、管理が行われる。
システム運用手順
手順書を作成している。また研修においてセキュリティを含めた運用手順の指導を行っている。
利用者管理
利用者にはそれぞれアカウント情報が与えられ、各自で情報を管理する。個人情報管理については書面で契約をかわしている。
3.保存性の確保
クライアントサーバ方式の採用により情報を一元管理し頻繁に自動バックアップを行っている。電子カルテ専用サーバにより不適切なソフトウェアによる障害が防止できる。使用しているバックアップメディアは内蔵および外付けHD、USBメモリー、ネットワークコンピュータ、CDR、外部FTPサーバである。システム障害時はバックアップサーバにバックアップメディアよりデータをコピーして稼働できる。
2007.1.16改訂